池田攻め 「あのー」 「………」 目の前の脱色した髪が揺れて、そこから垣間見える表情がそれはそれは不機嫌で話しかけるのも躊躇う。なけなしの勇気を集めて声をかけてみたが丸無視。 おーい、池田サーン。そろそろ俺泣きそうなんですケドー。 今日もいつも通りバ会長に捕まり、セクハラをされている時にたまたま池田が通りかかって助けられたのはよしとしよう。 うん、そこは感謝してる。だがしかし!何故痣がつくくらいに強い力で俺の腕を掴むのか。その上引きずるようにして一体どこに向かっているのか。ってゆーか 「池田、痛いんだけど」 恐らく痛みに歪んでいるだろう俺の顔を睨みつける池田氏。俺なんかしたっけ?覚えがない、こともないな。あれか。バ会長のせいか。そうに違いない。 「お前俺が怒ってる理由分かってんのか?」 「バ会長のせいじゃねぇの?」 「分かってんなら逃げろよ」 いや、逃げ切れなかったから捕まったんだけど。顔に出ていたのか池田は一層眼光を鋭くしてくる。ちょ、そんな顔されたら俺のガラスハートが粉々に砕けるよ! 「俺以外に触らせんな」 「っ!?」 廊下の壁に突然押し付けられて案の定頭を強打した。痛い。クラクラしているのにも関わらず池田は俺の口に噛み付いた。 うん、本当に噛まれた。下唇を遠慮なく噛まれて、じわりと鉄の味が口の中に広がる。痛い!っつか熱い!! ←|戻|→ . |