vs.チワワ2 | ナノ

vs.チワワ2












「よ、っと」


 足払いをかけてやれば不意打ちだったらしく簡単に転んでくれる。―――…あ。


―――ガッッ


「…あっちゃー」


 残りの二人をさっさと蹴散らせて、見事に石に頭をぶつけ気絶している奴のところへ向かう。幸い血は出ていないようだ。軽い脳震盪だろう。



「っな、に…痛ッ」
「動くな。軽い脳震盪になっているだろうから」


 起きたそいつの打った部位を撫でてやる。たんこぶが出来てるな。


「…お前顔赤くないか?」
「うるせ…っつぅ」
「俺が悪かったから安静にしていてくれ…」


 顔が赤いと指摘すれば、男は叫んで地面とまたコンニチハした。溜息を吐きながら自分の非を認める。


「お前、何なの…」


 呆然としているチワワの声に、嗚呼忘れていたと我に返る。そのまま立ち上がりチワワの目の前まで歩いていく。


「ひっ!!」
「殴らないから大丈夫だ」


 手を差し出せば怯えるチワワに苦笑する。ふわふわとした髪に手を乗せれば大人しくなった。…なんだこれ可愛いな。



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