感謝 黒猫の散歩道 定位置となりつつある裏庭で、宮緒のふとももに頭を乗せる新がいた。俗に言う「膝枕」という奴だ。新は目を閉じて眠っている。対して宮緒はじっとその寝顔を見ていた。 綺麗だなぁ、なんて分かりきったことを呟いてみる。意図もなく宮緒は新の額にかかった前髪を掬った。サラサラと零れ落ちる髪に口付けてみる。 「………」 む、と少しばかり眉を潜める。自分でも分からないまま、もやもやとした気持ちに襲われた。何故だろうか、と一人で首を傾げる。 「足りない?」 口に出して頷いてみる。そうだ、何かが足りない気がする。次は晒された額にキスをしてみる。ちゅ、と可愛らしい音を立てながらキスの位置をずらしていく。最後に仕上げ、とばかりに宮緒は新の唇に自分の唇を重ねた。 「…ん、満足」 「寝てる時にするなんて勿体ないだろ」 「え、んむっ」 頭の後ろを捕まれて引き寄せられるままに新にキスをされる。驚きに目を瞠ったまま宮緒はされるがままである。一通り堪能した新はようやく宮緒を離した。 「…あんまり煽ってくれるな」 「?」 キョトンと首を傾げる宮緒に新は苦笑した。 ―――その存在の全てが俺を狂わせる end. 新×宮緒 ←|戻|→ . |