共犯者 | ナノ

共犯者












「これでHRを終わる」
「起立、礼」
「「「ありがとうございましたぁ」」」
「おう。あ、望月ちょっと来い」
「?はい」


 午後の授業も終わり、放課後になった途端教室内がガヤガヤと賑わう。そんな中で呼ばれた俺は、何か用事だろうかと思いながら教壇に立つ立花先生の近くへと寄る。


「手伝ってほしいことがあるんだが」
「あ、はい。分かりました」


 二つ返事で了承した俺に、立花先生は教室を出た。その広い背中を俺は追う。


「―――手伝ってほしいことって何ですか?」


 着いた先は予想通り教科準備室。首を傾げる俺に、振り向いた立花先生は甘い顔で笑った。


「そんなものはない。二人きりになりたかっただけだ」
「立花先生、」


 呆れた表情になって言う俺の唇に、立花先生は人差し指を押し付けた。


「先生じゃなくて“誠一”だろ?」
「…誠一さん」
「良く出来ました」


 チュ、とリップ音を響かせて額にキスされる。少し赤くなった顔を隠すように両手で額を覆う。


「先生!」
「誠一だって言ってんだろ」
「ぅ…誠一さん」
「よしよし」


 頭を撫でられながら、俺は立花先生もとい誠一さんを見上げる。俺と誠一さんは教師と生徒。禁断の愛、かな。自分で言ってみて心中でクスクスと笑う。


「背徳感を感じますね」
「まあそうだな」


 苦笑する誠一さんにつられて俺も笑む。


「騙し切って見せようじゃねぇか」
「共犯者、ですね」


 笑いながら互いに寄せた唇に、二人して酔いしれる。卒業までの短くも長い時間。その中で俺たちは禁断の愛を育むのだ。このスリルも中々面白い。


end.


9000hit 桃様キリリク
誠一(立花先生)×怜那 甘イチャラブ
*恋人設定



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