私に構って 「厳、」 「なぁに、怜ちゃん?」 「“なぁに”じゃなくて」 ニッコリと綺麗な顔で笑う厳に嘆息する。 「料理作ってるんだけど」 「それで?」 「…げーんー」 今、俺は厳に後ろから抱きしめられている。包丁を握っているときに唐突に厳に包まれたのだから、流石に俺も咎めるように言うのだが厳は知らぬ顔で腕を緩めようとはしない。こうなったらどうやっても聞かないのは分かっているから、もう一度溜息を吐いた。 「だって暇なんだもん」 「暇って…」 要するに構ってほしいらしい厳。仕方が無いなぁ、と俺は知らずの内に甘い顔で笑った。 「これで我慢しろ」 自分の体を反転させて、厳の唇にキスをする。その際に背伸びしなくてはいけなかったことには目を瞑る。俺以上に甘く笑った厳に見惚れたのは内緒だ。 end 6700hit杏子様キリリク 厳×怜那(甘甘)*恋人設定 ←|戻|→ . |