D絡めた指が愛になる2 | ナノ

D絡めた指が愛になる2












「恭徳の全てが欲しい」


 不意に真摯な目で見つめられる。だが、恭徳は笑って言い放った。


「今更。俺の全部、もうあげてる」


 面食らってパチパチと瞬きを繰り返す大也。


「…そうか」


そして照れ臭そうに頭を掻いた。もしかすると、大也なりのプロポーズだったのかもしれない。と恭徳は思ったが、正直無自覚でプロポーズ紛いの言葉は散々もらっているので、今更感が否めない。
 まあ、愛されているんだからいっか。そう結論づけて隣にいる恋人の横顔を見て微笑んだ。
 この時、指輪を渡されるときにもっと甘いプロポーズの言葉を囁かれることなど、恭徳は知るよしもなかった。


*****


(男同士だから結婚は出来ないが、ずっと俺の隣にいてくれないか)
(…勿論。堂々とは出来ないし、子供も望めない。それでも俺を隣に置いてくれると嬉しい)
(ああ。…愛してるよ)
(…俺も、愛してる)
(よし、それじゃ行くぞ。両親に挨拶しに)
(は!?おま、カミングアウトすんのか!?)
(当たり前だろ・許してもらえなけりゃ駆け落ちでもすっか)
(…まあ大也と一緒にいれるなら何だっていいけどさ)
(お前これ以上俺に惚れさせてどうしようってんだ)
(はあ?知らねぇよそんなの)


*end



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