貞操の(危機) | ナノ

貞操の(危機)












「勇者サン勇者サン」

「どうしましたか?」

「俺って殺されないの?」

「ええもちろん。殺す訳ないでしょう」

「普通魔王が倒されてめでたしだよな」

「そうですね」

「…殺さないのか?」

「殺しませんよ」

「何で?」

「貴方に一目惚れしました」

「え゛」

「どうしましょうか。とりあえず一緒に暮らしますか」

「とりあえずの意味が分からない」

「結婚式はいつにしましょうか?」

「ちょっと待とうか」

「初夜は今日で良いですよね」

「いくない、いくない」

「恥ずかしいんですか?可愛いですね」

「お前の目は節穴か」

「ふふ、そんな訳ないじゃないですか」

「無駄に爽やか」

「ああもう。何でそんなに可愛いんでしょう。流石僕の嫁」
「どこからつっこんだらいい」

「え、僕のを突っ込んで欲しい?大胆ですね」

「黙ろうか」

「キスして欲しいんですか」

「違うから。顔近付けてくんな」

「照れ屋さんなんですから…」

「違うからな?人の話聞いてる?」




←||

.