普通の(定義) | ナノ

普通の(定義)












「普通って何だと思う?」

「あ?何だよいきなり」

「だって皆僕のこと普通って言うもんだから、じゃあその普通って何だろうって思ったら気になって」

「…お前は普通じゃないと思うが」

「まーまー、そこは置いといてさ。ね、普通って何?」

「普通…普通、ねぇ」

「広辞苑で調べたらさ」

「調べたのか」

「うん。@広く一般に通ずること。Aどこにでも見受けられるものであること。並み。一般。って書いてあったんだけどさ」

「おう」

「僕に対して皆が普通って言うのは多分Aの意味だよね」

「まぁそうだろうな」

「でね、Aのどこにでも見受けられる、って可笑しいと思わない?」

「何がだ」

「人間は一人として同じじゃあないのに、何故どこにでも見受けられるの?」

「確かにな」

「そう思ったら普通っていう定義は無いんじゃないかなって」

「ふぅん」

「だって僕が此処に存在する事が普通な訳がないし」

「………」

「そう考えていくと普通って矛盾してると思わない?」

「…そうだな」



広辞苑引用




←||

.