(大好きだ、)バーカ | ナノ

タイトル












「今日彼女と帰る」

「…おー」

「一緒に帰れなくて悪いな」

「本当にな」

「普通そこ否定しろよ」

「嫌だね」

「ったく。じゃあな」

「また明日」

「おう」





「…彼女可愛いじゃん」

楽しそうに喋りながら帰っていく二人の後姿を窓から見下ろす。
あーあ、手なんか繋いじゃってさ。
…ラブラブじゃん。

「何だよ、俺だけ一人かよ」

不毛だ。不毛すぎる。何で俺アイツのこと好きになっちゃったんだろ。男じゃん。俺って男もいける口だったのか。
ってゆーか無理だろ。男同士とかさ。

じゃあ何、俺が女に生まれてたら良かったワケ?
女だったら告る勇気も出せたかもしれない。女だったら可能性もあったかもしれない。
何で俺男なんだ。

アイツが女だったら良かったのか?………気持ち悪いな。無理無理。
くそ、何であんな奴好きになっちまったんだよ俺。
…ああ、でもそうか。アイツがアイツだから好きになったのかもな。あーあ。

「…バーカ」

すっかり見えなくなった二人の後姿を睨みつけた。

「…大好きだ、バーカ」

誰もいない教室の窓際の席。
俺は机に突っ伏してひっそりと体を震わせた。



*友人←友人
ノンケ←ノンケ




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