(気持ちは)変わらない 「………いつの間にか好きになってた。俺だってそうだ。稔のどこが好きかって聞かれても答えられない。稔が稔だから好きなんだ」 「…くさい」 「うっせ」 「でも、そっか。うん。理由なんてないのかぁ」 「…稔」 「なに?」 「俺、稔のことが好きだ」 「…今、言うのか」 「言っとかなきゃ駄目な気がして」 「返事、しなくちゃ駄目か?」 「うーん。分かってて聞くのも辛いけど。そうだな。言ってくれ」 「………」 「………」 「………俺は、」 「うん」 「丈大のこと、好きだ」 「うん」 「でも、それは恋愛感情じゃない。だから、…悪いけど」 「…そっか」 「…ごめん」 「謝んな。どうせなら違う言葉が良い」 「…ありがとう、丈夫」 「どういたしまして」ニカッ 「俺、丈大と友達で良かったよ」 「今更。…俺もだ。これからもよろしく」 「ああ」 * 「(…あーあ。俺ってばイイ奴)」 「(どうせなら幸せになれよ。…俺が相手なら良かったけど、しゃーねぇよなぁ。こればっかりは)」 「(ま、俺も悪役になり切れなかったってことで。泣かせたら遠慮せずに奪うけど)」 end ←|戻|→ . |