(気持ちが)動き出す 「…先生」 「………」 「実は惹かれてるでしょ?」 「お前に何が分かる」 「分かりますよ、ずっと稔を見てたから。視線の先もずっと」 「………」 「ねぇ先生。そのくだらない大人の余裕引き剥がしてやるよ」 「チッ」 「男として向かい合え。じゃないと稔が可哀想だ」 「…うるせぇ」 「負けませんよ」 「勝ち負けじゃないだろ」 「そうですか?恋は戦争ですよ、先生」 「…お前ムカつくな」 「ありがとうございます」 「誉めてねぇっつうの」 「知ってます」 「…喰えない奴」 「知ってます。で、結局のところ好きなんですか?」 「………」 「自覚が無いならそれでも良いですけど」 「…自覚?」 「稔を見る目、他の生徒を見てる時とは違いますよ」 「………」 「ウジウジしてたら俺が貰いますからね」 * (考えないようにしてたのをこじ開けやがって…) (先生相手でも負ける気しねぇ) end 稔の親友…久元丈大(ひさもとたけひろ) 先生vs久元 ←|戻|→ . |