(気持ちはもう)止められない 「うん。でもオレは気にしないけど、せんせーは気にするでしょ」 「…まあ」 「きょーしと生徒じゃあ世間体悪いし」 「………」 「せんせーと会えるのって現代文の時間だけだしさ。担任じゃないんだし」 「………」 「点数悪かったから補習とかで会える時間増えるかなーって」 「…おい」 「せんせーと付き合えるなんて夢のまた夢だし、これくらいは許してよ。あと数ヶ月でオレ卒業しちゃうんだし、これくらい最後の思い出作ったっていいじゃん」 「おい」 「なにー?」 「受験控えてんだろ。点数はちゃんと取っとけ」 「やだ」 「やだってお前な…」 「良いじゃん!最後だもん」 「………」 「せんせーに目一杯会いたい。だって好きなんだもん。しょーがないじゃん。残り数ヶ月しかないんだよ?」 「………」 「ねぇせんせー。好きになってごめんね。でもオレ卒業するまで…いや、多分卒業してからもずっとせんせーのこと好きだよ」 「お前…馬鹿だろ」 「うん、知ってる。せんせーの心がオレに向かないことも知ってる」 「………」 「でも、やめられない。止まらないんだ。もう無理だよ、せんせー。誰にも止められやしない」 「葛西」 「でも、俺の気持ちは覚えておいて。…成次先生」 *教師←生徒 …のはずだったけど生徒→教師かもしれない。あれ 生徒は馬鹿っぽく振る舞っているだけ 生徒…葛西稔(かさいみのる) 教師…中戸成次(なかとなりつぐ) ←|戻|→ . |