過去と未来 後書き 河合さんと中野君のお話でした。最初から過去形だったのは、中野君が半年前に事故で亡くなっていたためです。 残された河合さんは、中野君がもうこの世に存在しないことを信じられなくて、亡くなってから一度も泣くことが出来なかった。 そうして毎日を過ごしていた彼女のもとに、中野君が現れる。彼は幸せになってほしいと伝えるために彼女のもとに。それは、きっととても残酷。 残された人間と残すことになってしまった人間、どちらの方が辛いのだろうか。 「貴方が居なくちゃ幸せになんてなれない」そう彼女は思う。自分もその立場になればそう思うでしょう。 けれど河合さんは、前に進もうとします。そうやって人は前に進んでいくのだと思います。進める強さが持てたら。 ←|戻|→ |