一方、藤方は「それなら」ということで森林コンビの名を口にした。個性的ではあるが、森と小林は成績が良い上に、森はタイピングが速く、小林は頭の回転が早いのだ。十分な戦力になると踏んだ藤方は二人を選んだ。
最初は電話口で微妙な反応をした志応であったが、藤方の押しに負けて了承した。森林コンビは「集中すると有能」だという藤方に、半信半疑だった志応。「難有り」の「難」を初っぱなから目撃した志応にとって、疑うのは当然であったが、藤方の言葉が本当であるのをすぐ知ることになる。
「…凄いね」
「でしょう?」
キーボードを高速で打つ森に感嘆の声を上げる。誇らしげに言う藤方に、手は動かしつつも頷いた。
しかし、と志応は森の隣に座る天乃に視線を移す。
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