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 テへ、と可愛らしく舌を出す久保を秀慈は睨み付ける。新條は対照的に顔面蒼白になった。秀慈の腕の中にいる天乃は志応と共に不思議そうな顔をする。
 二人の様子に気付いた新條が「今年のクリスマスについてなんですが」と青ざめたまま話し始めた。
 どうやら毎年クリスマスに行われる立食パーティーを企画していたらしいのだが、久保のおかげ(恐ろしく黒い笑みを浮かべながら久保を見る)で新しく企画し直さなければならないのだという。



「ただでさえ忙しいのに仕事を増やすんじゃない!」
「ごめんなさい…」


 心底済まなさそうに項垂れる久保。むしろ俺が項垂れたい、と秀慈は深く嘆息した。だが久保を責めている場合ではない。そんな時間があれば仕事をしなければならないのだ。


「兎に角動け」


 秀慈の一言でバタバタと慌ただしく動き始めた中、漸く下ろしてもらえた天乃が志応の制服の裾を引っ張った。


「一つ提案があるのー」


 可愛らしく笑う天乃に志応は先を促した。


「呼んだらどうかなぁ?」

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