「冗談はこのくらいにして、どうして連れて来たんです?」
「仕事を手伝わせようと思ってな」
「は?」とすっとんきょうな声をあげた新條に秀慈は言う。
「有能かどうかは分からないが、成績は良い」
「でも部外者でしょう」
「俺の親衛隊隊長だが?」
言葉を詰まらせて「でも」と言う新條に畳み掛ける。
「人手、足りないだろう」
グッと黙り込んだ新條は何事か考えているようだ。数秒後、深く溜息を吐き出して苦笑した。
「人手が足りないのは事実ですからね」
両手をあげてやれやれと首を振る新條は、生徒会役員だけあって美しい。知的さを感じる秀麗な顔立ちを崩して頬を緩めた。雰囲気が柔らかくなったのを感じた天乃はいつの間にか入っていた体の力を抜いた。
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