生徒会室に戻った時のことを考えて秀慈は苦々しげに顔を歪ませた。止まった手に、天乃は寝惚けた目で秀慈を見上げた。
「もっと…」
起きた直後だからか、潤んだ瞳に理性が崩れそうになる。秀慈は息を吐き出して気持ちを鎮めた。天乃の要望通りに再び撫でてやりながら疑問をぶつけた。
「授業は」
「…えへ?」
「…サボったんだな」
秀慈の問いに目を逸らす天乃。ここは普通、立場からして注意するところなのだろうが、何分秀慈自身もサボっている身なので苦笑して留めた。
「大丈夫なのか?」
「だいじょーぶ!僕これでも10位以内にいつも入ってるんだよぉ」
嫌味を感じない、寧ろ「褒めて褒めて」とせがむ子どものような印象を持った秀慈は「偉い偉い」と言って目元を和ませた。
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