09



「―――…」


 5時限目の終了を示すチャイムにふと目を覚ました秀慈は、右半身が温かいことに疑問を持ち目を向けた。一瞬固まったがすぐに起き上がって天乃の小さな体を揺する。


「おい、うさぎ」
「…まだ寝るのぉ…」


 イヤイヤと首を振って、秀慈に抱きついた天乃に困惑する秀慈。体に巻きつく小さな物体を見下ろし小さく溜息をつく。


(…これは試されているのだろうか)


 衝動を理性で押し留めながらぽふぽふと天乃の頭を撫でる。クセッ毛なのか、毛先が丸くなっている天乃の髪はふわふわとして気持ちが良い。段々と動物を撫でているような気分になった秀慈はアニマルセラピーに癒されていた。
 近頃生徒会の仕事が多く、精神的にもキツかった秀慈は仕事を抜け出してこの裏庭へと来ているのだった。

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