07



「良いですね。副隊長様もまた違う美しさで…」
「ひっく、さなちゃん、っく」


 くん、と服を掴んだ森にピタリと小林が止まって目線を合わせるようにしゃがみこんだ。森は相変わらず体操座りである。異様な二人の様子に天乃と志応は顔を見合わせた。その後ろで藤方は「またか」と呟いて苦笑している。


「ゆう?どうしたの、どこか痛い?」
「さなちゃ、迷惑かけちゃヤだぁ…うぇぇんっ!」
「ご、ごめんね。もうしないから泣き止んで」


 オロオロとしながら小林は愛しい幼馴染を優しく抱き締める。すっかり蚊帳の外である二人に藤方が説明した。小林が美形に目を輝かせて暴走した時は森にしか止められないらしい。
 森林コンビはいつもセットじゃないと駄目なんだねぇ、と元のマイペースに戻った天乃がぽややんとして言う。志応は厄介な子が入ってきたと頭を痛めるのだった。

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