「美しい…やはり隊長様は素晴らしい素材ですね。私が作った服を着てみませんか?脱がして差し上げますよ」
「ごめんなさいごめんなさい生まれてきてごめんなさい」
小林は天乃に抱きついてサワサワと体を撫でまわし、森はテーブルの下に隠れてめそめそと泣いている。唖然とする志応に藤方は困ったように笑んだ。
「このように小林は美形に目がなく、森は超のつくネガティブなんです」
藤方の話によれば小林はどうやらデザイナーの家系に生まれたらしく、美形を見つけると自分が作った服を着せたくなるそうだ。森の性格は親から受け継ぎ、その上ハチャメチャな小林の幼馴染である故に拍車がかかったのだとか。
「一応好意とは別物だそうですよ、小林は」
「ひゃっ!」
「創作意欲が掻き立てられますね。ふふ、楽しみにしててください」
天乃の悲鳴と小林の不穏な発言に我に返った志応は、小林を引き剥がして天乃を抱き締めた。するとキョトンとした小林が志応を視界に入れた途端妖しく微笑んだ。
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