05



 見慣れた幹部と初めて見る二人の小柄な少年達を見比べた。


「隊長様、新隊員です。ほら、挨拶しなさい」
「は、はい!森夕貴(もりゆうき)です!」
「小林早苗(こばやしさなえ)です。よろしくお願いします」


 緊張で固くなっている森夕貴と、穏やかに笑う小林早苗は小さく会釈をした。二人に対して緊張を解すように志応はにっこりと笑いかけ、天乃に自己紹介するように促した。


「隊長の羽咲天乃だよぉ。こっちはお母さんで副隊長の三宅志応」
「僕はお母さんじゃないって」
「お母さんはお母さんだよー」


 にこにこと満面の笑みである天乃に深く溜息をついた。


「よろしくねぇ、森林コンビさん!」
「はははいっ!(しんり…?)」
「はい(森林コンビ…)」


 各々に「森林コンビ」という天乃の唐突な思いつきに戸惑いつつも頷いた。自信満々に言うものだから何も言えない。


「とりあえず森林コンビは藤方(ふじかた)の管轄で良いんだね?」
「はい。性格に難有りですが良い子達なので」


 幹部、藤方小波(こなみ)は志応の言葉に首を縦に振った。どうやら「森林コンビ」は最早定着してしまったらしい。藤方の言ったことに少し引っかかった志応は不思議そうな顔をして尋ねた。


「難有り…?」
「―――うきゃあ!?」


 その時珍しくも驚いた声をあげた天乃。バッと志応がそちらに顔を向けると、何とも言い難い光景が広がっていた。

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