04



「好きって、なんだかふわふわするね」


 都は「わたがしみたい」と言って笑った。無言で華奢なその背中に腕を回せば、ますます密着率が上がり都が照れて身動ぎする。


「はじめて」
「?」
「はじめて、好きになった」


 それは、つまり。初恋ということか。峰は頭の中でそう理解して、都のつむじを見下ろした。目を細めて、柔らかい髪に口付けを落とす。


「…俺もだ」
「峰もはじめて?」
「ああ」


 バッと顔を上げた都を、目を細めて見る。


「…嬉しい」


 へにゃり。心底嬉しそうに格好を崩す都が愛しく見えて仕方がない。まさか自分が男相手に恋をするだなんて思ってもみなかったが、都なら気持ち悪くもなんともない。むしろ、容易く欲情の火を灯しそうでヤバい。
 一方、都もまた自身に問いかける。本当に彼が好きなのか。心はすぐに肯定を示す。男同士に戸惑いはあるが、そんなものは気持ちの前には意味を為さない。
 男でも、いいや。だって好きなんだもん。好きになっちゃったんだから、いいの。

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