「親になんて説明したら良いのかな」
「…とりあえず電話してみたらどうだ」
「そうだねぇ。この格好のままじゃ外に出られないし」
都はゆらゆらと尻尾を揺らしながら苦笑する。
「ああ、でも携帯」
「…使え」
「使っていいの?」
「ああ」
「ありがと!」
キラキラと目を輝かせて峰から携帯電話を受け取る。その姿を内心(可愛い)と思いながらも表情は相変わらず無表情のままに見つめる。
「…キスしたら治るんじゃねぇの?」
「っ!や、それは」
モゴモゴと口を動かし目を泳がせる都に、僅かに口角を上げたことに都は気づかぬまま。
おわり。
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