「…誰にでもするのか」
「?しないよ」
あっさりと返す宮緒。混乱して頭がパンクしそうだと新は心の中で呟く。
「お前は…どれだけ俺を惚れさせたら気が済むんだ」
気持ちに際限がない、だなんて思いもしなかった。男を愛しい、だなんて思いもしなかった。一目惚れするだなんて思いもしなかった。新は嘆息する。
「新はおれが好きなの?」
僅かに目を丸くする宮緒。に、目を丸くする新。
「気づかなかったのか?」
「うん。何でってずっと思ってた」
宮緒らしい、と苦笑する。新は顔を引き締めて宮緒に向かい合った。その真剣な表情に宮緒も箸を置き見つめる。
「俺は宮緒が好きだ」
「うん」
「良かったら俺と付き合うことを考えてくれないか」
覚悟を決めて聞く。どうにでもなれ、と新は開き直った。
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