18



 一人の美形な不良と一人の猫目な平凡少年が見つめ合う姿は、やはり不思議な(というよりかは異様な、かもしれない)光景である。気まずいような、気まずくないような二人の間にある奇妙な空気を壊したのは宮緒だった。


―――ぐぅ。


 否、正確には宮緒の「腹の虫」であった。新はそういえば昼だったな、と思い出す。流石の宮緒も恥ずかしさに僅かに頬を朱に染めた。


「飯食うか」
「…うん」


 そんな宮緒を内心「可愛い」などと悶えながらも、新は表には出さず昼食に誘った。素直に頷いた宮緒はその場に座り込んだ。いつの間にか手放してしまっていた弁当の安否を確認する。垂直に落下したせいか、案外大丈夫そうだ。
 新も宮緒の隣に座り、購買で買っておいたパンを取り出した。もきゅもきゅと宮緒は弁当を口に運びながらチラリと新を見やった。空を見上げている横顔を観察する。それこそぼんやりと綺麗だなぁ、と思う。

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