「ん、あら、た?」
困惑した声に、新はもう一度啄ばむような口付けを落とし離れた。
「…悪い」
謝る新に首を傾げる。宮緒は、驚きはしたものの怒りは感じていないため、どうして謝られたか分からない。
「どうして、謝るの?」
「いや、」
素直に口にした宮緒に新は戸惑う。どう、言えばいいだろうか。
「意思を無視しただろう」
「嫌ならおれは抵抗するよ?」
意味が分からない、といった風に宮緒は再びコテリと首を傾げた。
「あー、だから」
新はガシガシと自身の頭を掻いた。その様子を不思議そうに見る宮緒。
「嫌じゃないのか?…男にキスされて」
一瞬口にするのを躊躇ったが、思い切って宮緒に聞いてみる。宮緒はふと考え込んでから顔を上げた。
「別に?」
嫌ではなかった、と宮緒は呟く。
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