05



「ねえねえ」
「なんだ」
「あーんはどうかと思うのですよ」


 何故か僕は先輩にあーんさせられてるのです。


「仕方ねぇだろ。箸これしかねぇんだから」
「いやー。だからといってあーんはどうかと」


 高校生二人があーんって。それバカップル以外やんないでしょ。


「いいじゃねぇか何が不満だ?」
「何って全部?とゆーより恥ずかしいんですよぉ」
「役得」
「このどSめが」


 あ、チャイム。これは予鈴かな。


「先輩教室に戻らなくてもいいのぉ?」
「俺が大人しく授業に出るとでも?」
「有り得ないねぇ」
「即答か。せめて一拍置け」


 想像したけど一瞬で消したよ。だって怖かった。それにクラスメイトとせんせーが可哀想だったし。


「お前の方が大丈夫なのか」
「僕は常にサボってるとゆーか授業に出たこと皆無だからall OK!」
「進級出来るのか」
「酷いよーわたり先輩」


 真剣な顔されると怯むじゃないか。ただでさえ美形で男前なんだから。そして何気に酷い言われようだし。


「僕は勉強しないだけであって出来ないわけじゃないもん」
「マジか」
「マジもまじ。本気だよん。何、疑ってらっしゃるのぉ?担任から天才ってあだ名で呼ばれるんだからね」
「その担任面白いな」
「でしょ?楽しいんだよー」

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