18



 次に目を覚ました時には夜明けだった。寒さに身を晒すことを渋るが、起きてしまったからには仕方が無いのでのそりとベッドから這い出る。パシャリ、と水の音を立てて顔を洗いながら昨日の最後の記憶を辿る。


「…しまった」


 ハッキリと思い出した。


「真に言っちゃったかぁ」


 タオルに顔を埋めながら呟く。まぁいいか。あれくらいならきっと大丈夫だろう。それに真には必要な言葉だったはずだ。奥に潜む言葉の真意が分からないのなら構わないのだけれど。


「あれでいて聡いから」


 鏡に映る白い頬に触れる。気づかないことを…気づいても気にしすぎないことを祈るだけ―――

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