03
「!わ、悪い、足…」
「いや、これくらい平気だから」
「………」
変に途切れて無言になった山下を不思議に思って首を傾げる。何故か山下は俺の足を凝視していた。
「な、なに…っぇあ!?」
バっと山下に抱き上げられて思わず変な声が出た。って、ちょっと待て!
「これ姫抱き…!」
「保健室に行く」
「ちょ、下ろせって!!」
俺の声をスルーしやがった山下はスタスタとそのまま歩き出した。く、屈辱!!普通に平均はある身長に体重なのに軽々と持ち上げられて俺は眉を潜めた。
「―――本当にごめん」
「いや、別にいいって」
なんとか保健室に着いたが、丁度保険医がいなかったので山下に手当てをしてもらっている。俺は自分でするって言ったんだけどなあ。
「てかさ、ほんっとーにイイ足してるよな、坂井って」
「…は?」
あれ、俺耳悪かったっけ。山下がそんなこと言うわけないよな、あはは。
「ずっと1年ん時から見てたんだけどさ、俺やっぱ坂井の足好きだな」
「…いやいやいやちょ、落ち着け」
「本当俺好みなんだよなぁ、この足…」
「っどわあああああ!!」
恍惚とした表情で山下が俺の足に頬を寄せてスリスリする。のを見て鳥肌が立った俺は慌てて立ち上がって逃げた。
え、なに、なんなわけ!?山下ってそんなキャラだったか!?
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