43



「風紀委員に親衛隊は許可されない」
「なるほど…」


 確かに暴走しがちな親衛隊だもんな。風紀自ら問題を起こしたら面目丸潰れだもんな。


「ほら、呼べよ」
「うーん…じゃあ桃真さん」
「さんはいらないが…まあ良いか」


 流石に呼び捨てには出来ない。学園の権力者なんだし…って言っても既に敬語使ってない時点でアウトだろうけど。


「あのぉ、手離してくれないかな?」


 そう、未だに両手を拘束されて貞操の危機真っ只中だったりする。なんていうか、近頃危機感を感じることが多すぎて慣れてきた。
 皆俺みたいな平凡をどうして追いかけるのだろう。中身はアレだけど(アレはアレだ、つまり変態)、容姿は申し分無いんだからソウイウ関係になりたい人はいっぱいいるだろうに。


「嫌だ」


 目を意地悪く光らせて笑う桃真さんは人懐っこく、それでいて男臭い。不覚にもドキリと心臓が跳ねた。無邪気で爽やかな先程までの笑顔からは到底同じ人物だとは思えない変貌ぶり。これが巷で噂のギャップ萌えとかいうやつか!

prev next

 



top
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -