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「―――あ、りょお!おかえりぃ」
「…ただいま」
「どうしたんだ?疲れてるみたいだけど」
「あー、ちょっと」


 教室に入って席に座った途端グッタリと机に伏せた俺に太一と山下が話しかけてくる。俺は少しだけ顔を上げて溜息を吐いた。


「―――へぇ、坂井は“ちょっと”で首にキスマークつけるんだ?」


 うっそりと目を細める委員長にガバッと起きた。ちょ、それを此処で言うか!?


「キスマークだって!?」
「へぇ、良がキスマークね」


 驚きに目を瞠る山下はいいとして、太一が怖い。語尾が延びてない。目が笑ってない。


「委員長!」
「ああ、ごめん。でも俺もちょっとはムカついてるんだよね」
「ひっ」


 眼鏡の奥の目が笑ってません。正直に言います、怖いです。


「怯えてる良も可愛いけどぉ」
「詳しく教えてもらわなきゃね」
「俺も気になるな。誰につけられたんだ?」


あっは☆皆の目が怖いなぁ!ジリジリと寄ってくる三人に本気で逃げようかと椅子をガタリと動かした時。

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