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「イイ声聞かせろよ、坂井」
そう。会長は声フェチだったりする。だから俺は無言で全力疾走する。だが、息切れはやはりするもので。
「っはぁ、はぁ」
「息切れもイイな」
後ろから恍惚とした声が聞こえる。何故。うん、そろそろ足が限界。そんでもってキモさも限界☆ミ
「キモいんじゃこのバ会長めえええ!!」
「やっと喋ったな坂井!」
キラキラと目を輝かせるイケメン。ああ、なんてウザいこと。
「なんで俺なんだよおおお!!」
「そんなのお前の声が腰にクるからに決まってんだろ」
「この下半身男!」
「ハッ。お前の声で罵られるのもイイもんだな」
「へ、変態!」
ひいいいいいい!!流石にそれはないって変態会長!
―――ガシッ
あ。
「やっと捕まえたぜ」
「げっ!離せよ変態!!」
「やっと捕まえた獲物を逃がすわけねぇだろう?」
―――ベロリ
「いっやああああ!!」
舐めた!舐めたぞコイツ!!しかも項(うなじ)!!!
「イイ声」
ちょ、そこウットリするんじゃねぇよ!!!
「ヒィィっ!」
首は舐めるところじゃありません!
「ちょ、やっ」
「その声クるな」
「ぅあ!や、めっん!」
首攻められてます。弱いんだって首。後ろから抱き込まれてるものだから逃げ出せない。まあそうじゃなくとも力の差は歴然だから逃げれないんだろうけども。
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