「本当に、イイなぁ坂井の髪」
「は」
「ああ、僕ね、髪フェチなんだ」
「えええ」
なんか、もう、なぁ?どうしろと。遠い目になる俺。俺の髪を持ち上げてキスした体勢のまま爽やかに笑う委員長。どうしろと。
「感想は?」
「…こんなにフェチって種類あったんだなぁ、と」
「あははっ」
俺はジト目で委員長を見やる。なんだかなぁ。俺の周りが段々濃くなっていく。
「もぉ、いいんちょー独り占めしないでよぉ」
「ああ、ごめん」
「え、そこ素直に謝るのか」
「だって坂井の番犬怖いし」
「…番犬」
番犬、か?そう言われている本人は俺の背後から抱きついた体勢のまま「俺番犬ー♪」とのたまっている。いいのかそれで。人間扱いされてないぞ。
「いいんだよーだって俺りょおに忠誠誓ってるもん」
「いつ誓ったよ」
「この手にキスした時ー」
ああ、初めて会った時からか。って、
「そんな前から!?」
「えへー」
「可愛くない」
「ひどいなぁ」
ヘラヘラと笑ったまま、顔を肩に乗っけてきたのでその頬を抓ってみる。
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