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「そんな風には見えないんだけどなぁ」
「アイツはただの変態だ」
「聞く限りじゃあそうなんだろうけどね」


 委員長は苦笑した。本当に、どうしてなんだろうか。池田が耳・唇フェチであることはほとんど全員知らない。俺にだけ発動するらしいのだ。


「はぁ」


 どうして俺なのか、という疑問は空気に溶けて消えた。溜息を再びついた俺の頭を委員長が撫でる。少しムッとしないでもないが、黙って受け入れる。いつも俺が聞いてもらう側だからな。


「委員長ってよく撫でるよな」
「うん?ああ、それはね」


 ニッコリと笑う委員長はいつもと同じはずなのに何故か背筋に冷たいものが走った。「?」と頭を傾げる俺は、委員長が異様に近づいてきたことに気づかなかった。


―――サラリ、


チュ


「は!?」
「うん、予想通りの反応をありがとう」


 未だニコニコと笑む委員長に、何が起こったのか整理しきれずに素っ頓狂な声を上げた。え、いや、なに?何が起こった??

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