13 フェチ×4



「―――はぁ、」


 溜息をついたのは仕方がない。そう思わなければやっていけない。それくらいに今俺は疲れていた。


◇◇◇


「ん…?」


 朝。俺は何故か息苦しさに起こされた。金縛りだろうか。そう頭の片隅によぎるが、ぼやけた視界に映った光景にそんな考えは消え失せた。


「…なぁ、聞いていいだろうか」
「なんだ」
「―――なんでお前が俺の上に跨ってるんだよおおお!!」


 そう。美形、不良、そして俺の同室者の池田が何故か俺の上に跨っていたのだ。朝から何で大きい声を出す羽目になってるんだよ。


「そりゃあ夜這i」
「黙れええええ!!!」


 聞きたくねぇよ!ゼイゼイ言いながら俺は池田を退かそうと必死になる。が。


「お前退けよ!」
「ヤだ」
「キモっ」
「ひでぇな」


 俺の上から退こうとしない池田氏。重いって、いや、おま、どこ触ってやがる!!


「ちょ、んぅ!」
「耳弱いな」


 お前が毎回毎回毎日毎日触ってくるからだろうがあああ!!

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