「んぅ、」
やっぱりデスカ。唇に柔らかい感触。更には入り込んできた舌は俺を蹂躙する。俺には男とキスする趣味はありません。ってことで。
―――ドガッ!!
「っ!?」
「っはぁ…」
男の急所を蹴り上げてみました☆やっと開放された。俺はゴシゴシと制服の袖で口を擦る。
「苦い」
完璧にタバコの味だ。最悪。てゆーか何で俺こんなに冷静なんだろ。それはよくある状況だからだ☆笑えねぇ!
「いてぇだろ、坂井」
「不能になれ」
さっさと復活しやがった。え、なに。不良ってそこも丈夫なわけ?結構力入れたはずなんだけど。
「萎えた」
「それはそれは」
俺にとったら有難い。さっさと寝よう、と自分の部屋に向かう。と。
―――チュッ
唇同士が重なって可愛らしい音を立てた。
「………」
「ご馳走さん」
ペロリと池田は自身の唇を舐めた。つっこむ気力もなくした俺は嘆息して再び部屋へと向かった。
「疲れた」
ボスリと体をベッドに沈ませて目を閉じれば、自分が思っている以上に疲れていることに気づいた。瞼の上下を縫い合わせられているように重い。逆らわずに眠りへと落ちていった。
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