08



キーンコーンカーンコーン


「やっと終わった…」


 現在放課後。体育以降の他の授業中にチラ見してくる山下は当然放置。そして授業が終わった途端圧し掛かってくる太一も同じく放置。


「太一、寮に帰るから退け」
「ええ〜」
「退かないなら俺が退かすぞ」
「ちぇー」


 俺が脅せば大人しく引き下がった太一を横目に席から立ち上がった。


「じゃーな太一」
「ばいばぁい」
「山下も部活頑張れよ」


 捨てられた犬のような目で此方を見ていた山下にも声を掛ければ目を丸くして、でもすぐに嬉しそうに笑った。


「ああ!!」


 返事を聞いた俺は濃い一日のせいで疲れた体に叱咤して足を踏み出した。

prev next

 



top
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -