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「いっぱんじんがみかけることはひんぱんにあるものなのでしょうか」
「そう頻繁ではないだろうよ。譲位の催し事には参加するが、それ以外で偶然となればあまり無いだろう」
「…このおうじょうにすんでいらっしゃることはないのですか?」
「住んでいるわけではないが、時折姿を見せることはある。…して、どうしてそのようなことを聞くのだ?」


 どう言えば穏便に済むだろうか。そう考えたものの、事が事なだけに穏便には無理かという結論にいたった。


「じつは、さくばんにおあいしたのです」
「ほう。だがそれだけではなかろう?」
「はい。…そのぉ、しらずにまなをおしえあってしまい、けいやくをむすんだのです」


 冷や汗だらだらで国王陛下を見上げる。しかし国王陛下は動じた様子も見せずに立派なヒゲを触っているだけだ。やはり一国の王であるだけあって流石というべきか。


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