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「よろしくね、ベランジェ」
「こちらこそ」


 微笑むベランジェさんは私を見定めるかのように目を細めた。


◇◇◇


 ふと思い出した。そういえばシルヴェストルのことをすっかり忘れていた。私を監視するのならいずれシルヴェストルの存在もバレるだろう。それならば先に言っておいた方が良さそうだ。
 それにせっかくの機会だし、神獣という概念についても聞いてみたい。国王陛下ならきっと詳細を知っているだろう。


「こくおうへいか、たずねたいことがございます」
「申してみよ」
「しんじゅう、というものをごぞんじですか」


 国王陛下は僅かに首を傾げて私を見下ろした。ベランジェさんは用が済んだからか一歩後退してまた空気と化している。


「神獣とは古から神の使いとされている者のことだ。この世は彼ら無しでは成り立たぬ。神獣の御力によって保たれておる故に、我ら王族とも深い関係を有している」
「どのようなごかんけいがあるのですか?」
「彼に認められることが王となる第一条件であったりと、まあ色々じゃな」


 ああ、やっぱりそういうフラグですか。そんな国の重要人物(狼?)とお知り合いどころかそれを飛び越して契約しちゃったんだけど。不可抗力だよー私のせいじゃないよー。

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