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「失礼します。アナベラでございます」


 やっと来た!ミルク頂戴!手足をバタバタと動かしてアピールする。アナベラさんは微笑んで私を抱き上げた。………………。ミルク美味しい。


「ゲップしましょうね」


 背中を軽く叩かれて「ケプッ」と小さなゲップを漏らす。ありがとう、アナベラさん。キャッキャッと笑ってみせると、アナベラさんも微笑み返してくれて私の気分は急上昇。


「ご機嫌ですね、エミリエンヌ様」


 まだ声帯が発達していないらしく、喃語すら話せない。話したいことや聞きたいことはいっぱいあるのに聞けないこの辛さ。仕方がないので情報収集はお喋りを聞くことで済ませている。でもやっぱり情報が足りない。一番知りたい両親のことについては、私に聞かせにくい話なんだろう、一言も喋らない。外見は赤ちゃんだけど中身は大人だから聞かせてくれたって良いんだけどなあ。


「お可愛らしいですわ」


 いやいや、可愛いのはアナベラさんですよ。彼女は20代後半くらいの年齢だけど、顔は童顔で小動物系の可愛らしさを備えている。なんかこう、撫でくり回したくなるような可愛さなのだ。…今は撫でられる立場だけどね。


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