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「シル、ごはんたべようよ」


 流石にお腹が空いてきたと訴えると、シルヴェストルは「そうですね」と頷き首筋から顔を離した。ただ、抱きかかえられたこの状態からは解放してくれないらしい。もう諦めの境地に達した私は身体を反転させてイネスさんとジジさんを呼ぶことにする。


「イネス、ジジ、もうはいってもいいよ」


 「失礼致します」と言って入ったきた二人は私の方を見て硬直した。やっぱりこの状況変だよね?シルヴェストルを引き剥がしたって構わないよね?


「シル、はなして」
「嫌です」


 即答でした。うーん、どうしよう。別に実害は無いんだけど第三者的には充分視界の暴力だろうしなあ。


「私だって膝抱っこしたことないのに…!」
「なんて羨ましい!」


 え、そっち?


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