50 お世話をしよう



「じゃあ、へやのそとでたいきしていてもらえる?」
「はい」


 ジジさんとイネスさんが頷いて下がった。シーツを取り払い、シルヴェストルを引っ張り出す。


「はい、これをきてね」
「着方が分かり兼ねます」
「…まずこれをはいて」


 ドキドキしないとは言っても流石に下は直視出来ませんからね。お嫁に行けなくなったら困るし。
 シルヴェストルにこの世界のパンツもどきを手渡す。不思議そうに見ているので口頭でどうやって履くかを教えてあげた。理解したようなので私も後ろを向いて待機。


「出来ました」
「おなじようにこれもはいてね」


 ズボンを渡されて履いてみたようだが、どうやら閉め方が分からないらしい。無表情のまま困惑した雰囲気を出すシルヴェストル。器用だな、オイ。
 このズボンには日本のようなチャックがなく、代わりに紐で結ぶ形状をしているのだ。元々そういったことに縁のないシルヴェストルにしろというのは酷だろう。



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