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「私は結婚しませんよ」


 びっくりするくらいの清々しい答えをいただきました。おおう。逆にカッコよく見える。


「なんでなのかきいてもいい?」
「はい。私にはエミリエンヌ様がいらっしゃいますので。結婚すると常にエミリエンヌ様の傍らにいることが難しくなりますから」


 これは喜んでもいいのかなあ。嬉しいのは嬉しいんだけど、ね。ここまで私至上主義だとは思わなかった。確かに尽くされているのは感じていたけど。ハッ。もしかしてイネスさんも同じ理由で!?


「お持ちしました」


 ノックして入ってきたイネスさんは私に衣服を渡してきた。あれ?私がしなきゃ駄目な感じですか?キョトンとしているとジジさんが補足してくれた。


「神獣様の主人はエミリエンヌ様でございますから、エミリエンヌ様がなさらないと」


 つまり拾ってきたのは私なんだから私が面倒見ろよってことですね。拾いたくて拾ったわけじゃないんだけどなあ。仕方がないか。

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