48



「マスター、何をするんです」
「にんげんはふくをきなくちゃいけないの。はだかでいるとつかまるよ」


 大人しくしてて、と言うとその通り素直にシーツお化けになったまま動かなくなった。ぼそりと「人間って面倒ですね」と呟いたのには聞こえないふりをしておいた。


「イネス、なにかふくをもってきてくれないかな?」
「か、畏まりました!」


 イネスさんを指名したのは良心です。だって物凄く居たたまれなさそうな表情をしているんだもの。そういうコトに慣れてないんだろうなあ。まだ若いもんね。かわいいなあ。
 ふと思ったんだけど、この世界での結婚適齢期ってどれくらいなんだろう。どう考えてもジジさんは嫁ぎ遅れているような…。イネスさんもヤバくない?もしかして私のせいだったりするのかな。


「…ジジ」
「はい、何でございましょう」
「ジジってけっこんしないの?」


 私の質問に対してジジさんはにっこり笑顔を浮かべた。



prev next

 



top
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -