【マスターと一緒のもので結構ですよ】
「だいじょうぶ?からだにわるかったりしない?」
【平気です】
本当かなあ。不安ではあるけども、本人がそう言うのなら大丈夫なんだろう。とりあえずジジさんとイネスさんに同じもので大丈夫であることを伝えた。今から用意してくれるそうだ。
さてと、おおかたの説明は終わったことだし朝の支度でもしますかね。イネスさんに渡された温かいおしぼりで顔を拭いてサッパリしてから夜着を脱ぐ。手伝ってもらいつつヒラヒラのドレス(やっぱり王城に滞在しているからなのか、普段よりも数倍豪華)を着て、今日は髪だけ纏めてもらう。
化粧は断固拒否した。だって皮膚の息が出来ないんだもん。あとコルセットもね。だから本日の私の出で立ちは昨日よりかなりラフ。
「今日もお可愛らしいです」
「ありがとう」
この生まれてから今日までの5年間、毎日言われ続けているけどやっぱり照れる。はにかみながらお礼を言うとハグされた。このやり取りもいつも通りです。
「御食事をお持ちしました」
扉越しのジジさんの声を聞いて、イネスさんが私に断りを入れてから立ち上がり扉を開けた。ジジさんが押すワゴンにはしっかり二人分の朝食が並べられている。
そういえば、シルヴェストルはどうやって食べるんだろう。流石にオオカミやわんこの姿では食べにくいだろうに。
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