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「…ジジさん」
「…ええ、恐らく考えている通りだと思うわ」


 ジジさんとイネスさんが顔を見合わせて渋い表情を見せる。いっそのこと、ここで追い打ちをかけた方が後々楽そうだよね。


「しんじゅうっていうんだって。これはみんなにひみつにしてね」
「…やはり、神獣ですか。皆というのはこの王城内の人間のことですか?」



 理解が早くて助かります。ジジさんに向かって満面の笑みで頷くと頭を撫でられた。もうすでにこの流れはデフォになりつつある。その優しい手に私はうっとりと目を細めた。腕には白い毛玉、もといシルヴェストルがいてジジさんにいいこいいこしてもらうこのシチュエーションは素晴らしい。


「そうですね。あまり知られない方が得策でしょう。しかしその存在感では見つかるのも時間の問題だと思われますが」


 やっぱり難しいかあ。勘がいい人には分かってしまうだろうし。あまり人の目に触れない方がいいに決まっている。だからといってこのまま私に与えられた部屋に置いておくのは良くない。掃除やらなんやらのために誰かしらは部屋に入ってくるだろうからね。ふむ、どうしようか。


「シル、おきてー」


 とりあえず当人に話してみることにしよう。つんつんとすれば眠気まなこがトロンと見上げてきた。うっ、可愛すぎる…!身悶えするのを寸前で堪えて話しかける。


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