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「けいやくってなに?」
「真名を教え合うことです」


 「まな」って「真名」?なんかまた痛々しい単語が出てきたよ。どうしよう。要らないフラグに足突っ込んじゃったみたい。


「なんでなまえをおしえてくれたの?」


 契約というのは重い枷が嵌められるのと同意義であるだろうに、どうして受け入れたのか。


「湧き出る慟哭に興味があったからです」
「どうこく…」


 もしかして、私の思考を読めたりしちゃうの?


「読もうと思えば」
「よまないでください」
「分かりました」


 即刻拒否。当たり前じゃん。自分の考えていることが他人(この場合他狼?)にだだ漏れだなんて耐えられない。恥ずかしすぎる。ということは、私が「もふもふー」とか心の中で呟いていたのも筒抜けだったわけだ。なんという羞恥プレイ。


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