29



「それだ!」


 思わず開いていた本を閉めてしまった。うわ、栞挟むの忘れてた。慌ててさっきまで読んでいたページを探して栞を挟む。


「でもへんしんまほうってあんまりきかないなあ」


 私が魔法学で習っているのは、主に攻撃魔法・防御魔法・支援魔法の3種類だ。基本的にはこの3種類しかなく、他の魔法については聞いたことがない。もしかして自分で新しく作らなきゃいけないパターン?
 変身魔法は攻撃魔法でも防御魔法でもない。だとすれば可能性があるのは支援魔法だよね。うーん、難しいなあ。姿を変える、かあ。いや、どちらかというと色を変えることが出来たら良いんだから、変色魔法になるのかな。
 この世界の魔法は、詠唱しなければならないわけではない。確かに詠唱魔法の方が多いんだけど、魔力が多ければイメージさえ固められれば無詠唱でも使うことが出来る。私は無詠唱派だ。私の場合、魔力は人並みより少し多いかな?くらいなんだけど、そこは日本人としての科学の知識で補う。
 例えば、火を出すとする。普通のアミラの人で無詠唱で出そうとすると、イメージはただ火を思い浮かべるだけになる。しかし、私は火がつく原理を知っている。酸素を集めて火をつける。たったこれだけの知識でも、ただイメージするだけとは使用魔力がかなり削減させることが出来る。これは痛い詠唱をしたくないが故に試行錯誤した結果知り得たことだ。だって詠唱って恥ずかしいんだもん。絶対あんなの言いたくない。
 そうなると、私は色を変える原理を考えなければならない。えー、そんなのってある?ううむ。


prev next

 



top
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -