28 新魔法の展開



 豪華なドデカいお風呂に入ってホクホクな私は、ベッドに腰掛けて家から持ってきた経営学の本を読んでいる。もう後はすることがないため、ジジさんとイネスさんには下がってもらったので部屋に一人ぼっちだ。いつもならこの時間帯だと寝ているんだけど、昼寝しちゃったから全然眠くない。ボーっとするのも時間の無駄だから、今日はまったく出来ていない勉強をしようと思って今に至る。


「いっかい、まちにおりてみたいなあ」


 ポツリと呟いた。実際に街に出て色々と情報を集めたい。領民の暮らしがどれだけの豊かさなのか、過度な増税はどこまでのものなのか。その他にも沢山自分の目で見て、自分の耳で聞きたい。
 でもなあ。そう言って部屋に備え付けられたドレッサーについた鏡を見やる。そこに映るのは世にも奇妙な白髪とオッドアイの夜着姿の少女。


「これだとちゅうもくをあつめておわりそうだねぇ」


 深い溜息を零す。目立つに決まっている。それも、王様が言うようにこの類い希な髪色が噂になっているのなら、すぐに私の身分なんてバレてしまうだろう。カツラを被るのもどうかと思うし、いっそのこと魔法で変身出来れば良いのに。………ん?



prev next

 



top
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -