ちはっす。お初にお目にかかります。
　元日本人、現異世界人という奇っ怪な経歴を持ってます。つまりは転生者で、ここはアミラという世界のセレストという国。ファンタジー小説でテンプレの魔法と剣の世界に私は転生したようだ。
　日本にいた頃は宮迫理沙（みやさこりさ）という名前だったけど、今はエミリエンヌ＝M（マルクィス）＝フェリシテという御大層な名前になった。愛称はエミリーだよ、よろしく。
　なんかよく分からんが、侯爵令嬢として生を受けた模様。まあ一般よりも遥かに裕福な暮らしをさせていただいている。だけどお金があるからといって幸せになれることはイコールで結ばれないと痛感しているところだ。
　私がこの世界で一番最初に見た人間は産婆さん。これは別段違和感ないんだろうけど、そのあと一ヶ月余り、乳母のアナベラさん、それから私専属の侍女らしい30代前半のジジさんと多分10代後半だと思われるピチピチ（死語）のイネスさん以外、誰にも会わなかった。いやいや、流石におかしいでしょうよ。せめて両親には会わせろよオイ。というわけで色々考えてみた。望まれない子だったのかなーとか、もしかして隠し子？それってヤバめじゃね？とか、まさか両親とも死んだとか…ないよね？まさかねぇアハハとか。正解は�@の「望まれない子供」でしたー。うっは、ナイわぁ。

prev　next

▼